釣りを再開される方へ 現代の釣具を長く使うための手入れと保管方法
釣りの再開、誠におめでとうございます。再び水辺に立つ喜びは格別かと存じます。さて、 decades ぶりに釣りを始められるにあたり、昔の道具とは異なる現代の釣具に戸惑いや不安を感じることもあるかもしれません。高性能になった現代の釣具は、適切な手入れと保管を行うことで、その性能を長く維持し、安全に釣りを楽しむことができます。
このガイドでは、釣りを再開される皆様が、ご自身のペースで無理なく行えるような、現代の釣具の基本的な手入れと保管の方法についてご紹介いたします。
なぜ釣具の手入れと保管が必要なのでしょうか
釣具、特にリールやロッドは、水、塩分、砂、紫外線などに常にさらされています。これらの要素は、道具の劣化を早め、性能低下や故障の原因となります。
- 性能の維持: リールの滑らかな回転、ロッドの感度や強度など、道具本来の性能を保つために手入れは不可欠です。
- 安全な使用: 破損や部品の固着を防ぎ、釣行中の予期せぬトラブルを避けるためにも、道具の状態を良好に保つことが重要です。例えば、ガイドが傷ついているとラインブレイクの原因になります。
- 経済性: 適切な手入れを行うことで、道具を長く使うことができ、結果として経済的です。
- 昔との違い: 現代の釣具は、昔に比べて素材や構造が精密になっています。特にリール内部のギアなどは非常にデリケートですので、昔以上に丁寧な扱いが求められます。
釣具の基本的な手入れ方法
釣行後に行う基本的な手入れは、主に「汚れを落とす」「水分を取り除く」ことです。
ロッド(釣り竿)の手入れ
使用後のロッドは、ガイドやブランクス(竿本体)に塩分や汚れが付着しています。
- 水洗い: 水道水、可能であればぬるま湯でロッド全体を軽く洗い流します。特にガイド周りや継ぎ目は念入りに。勢いよく水をかけるよりも、シャワーで優しく流す方が安全です。
- 水分拭き取り: 柔らかい布やタオルで、水分を丁寧に拭き取ります。継ぎ目の中に入った水分もしっかり取り除くことが重要です。
- 継ぎ目の手入れ: 継ぎ目(フェルール)は、汚れが付着すると固着の原因になります。汚れを拭き取った後、専用のワックスやシリコンスプレーをごく少量塗布すると、スムーズな抜き差しが保てます。ただし、塗りすぎは滑りの原因になりますので注意が必要です。
- 確認: ガイドに変形やクラック(ひび割れ)がないか、スレッド(ガイドを固定している糸)のコーティングに剥がれがないかなどを確認します。
リールの手入れ
リールは最もデリケートな部分です。内部に水分が入ると錆の原因になりますので、水洗いは慎重に行います。
- ラインを巻いたままの水洗い: スプール(糸巻き部)にラインを巻いたまま、水道水、可能であればぬるま湯で、リール全体に優しく水をかけます。この時、ドラグノブはしっかり締め、水が内部に入りにくくします。また、ハンドルは回さず、流水にさらすだけに留めます。
- 水分拭き取り: 柔らかい布やタオルで、見える範囲の水分を丁寧に拭き取ります。特に、スプールエッジ、ハンドルノブ、ベール、フット(竿に取り付ける部分)などは念入りに。
- 乾燥: 風通しの良い日陰で、完全に乾燥させます。急な乾燥は部品を痛める可能性があるため避けてください。
- 注油: リールに付属している取扱説明書を確認し、指定された箇所(ラインローラー、ハンドルノブの付け根など)にごく少量のオイルを注します。内部の分解や注油は専門的な知識が必要なため、基本的にはメーカーや専門業者に依頼することをおすすめします。無理な分解は故障の原因となります。
その他の道具の手入れ
使用したルアー、フック(釣り針)、プライヤー(ペンチ)なども、塩分や汚れを水で洗い流し、しっかり水分を拭き取ります。特にフックは錆びやすいため、乾燥剤と一緒に保管するなどの工夫も有効です。ライフジャケットも、海水で使用した場合は軽く水洗いし、陰干しして完全に乾燥させます。
釣具の保管方法
手入れが終わった釣具は、適切な方法で保管することで、次に使う時まで良い状態を保つことができます。
- 乾燥: 保管する前には、必ず完全に乾燥させてください。湿気は錆やカビの原因となります。
- 場所: 直射日光が当たらず、高温多湿を避けた風通しの良い場所を選びます。クローゼットの中や、湿気のこもりやすい場所は避けるべきです。
- ロッド: ロッドは、ロッドスタンドに立てかけるか、竿袋に入れて壁に立てかけたり、専用のラックに横置きにしたりして保管します。負荷がかかるような置き方は変形の原因になります。
- リール: リールは、専用のリール袋に入れるか、ケースに入れて保管します。保管時はドラグを緩めておくと、ドラグワッシャー(滑りを調整する部品)への負担を軽減できます。
- 小物類: ルアーやフックなどは、種類別にタックルケースに整理して保管します。乾燥剤を入れておくとより良いでしょう。
体力に合わせた手入れと安全への配慮
釣具の手入れは、釣行後の疲労がある中で行うことも多いかと思います。無理のない範囲で、できることから始めるのが良いでしょう。全ての道具を完璧にする必要はありません。まずは塩分を洗い流すことから始め、少しずつ慣れていくことをおすすめします。体調と相談しながら行い、疲れている時は無理せず翌日に行う、という選択肢も考えてください。
また、手入れや保管作業を行う際には、いくつかの安全上の注意点があります。フックの取り扱いには十分注意し、指などに刺さないよう慎重に行います。リールのオイルなどは、子供の手の届かない場所に保管してください。作業スペースを確保し、滑りやすい場所での作業は避けるべきです。
まとめ
釣りを再開された皆様にとって、現代の釣具は昔とは違う部分も多くあるかと存じます。しかし、基本的な手入れと適切な保管を行うことで、道具は長く私たちの釣りをサポートしてくれます。
難しく考えず、まずは釣行後に軽く水洗いして拭き取ることから始めてみてください。道具を大切に扱うことは、安全で楽しい釣りの時間を長く続けることにも繋がります。
体調と相談しながら、ご自身のペースで釣りの準備を進めていただければ幸いです。水辺での素晴らしい時間をお過ごしください。